筑波大学|大学院数理物質科学研究科|化学専攻

 
  
             
 

3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震においては、甚大な被害が生じただけでなく、

多くの尊い生命が奪われました。ここに、心からの哀悼の意を表します。

 
 
 
 

東北地方太平洋沖地震においては、東北4県に連なる茨城県も大きな被害を受けました。

市川研究室では従前より棚や冷蔵庫などの壁面・床面固定を積極的に行い、震災時の安全確保に努めてきました。

しかし一方で、購入したばかりの物品など、一部において固定が徹底されていなかったことも事実です。

ここに敢えて私どもの実験室の被災状況を公開し、皆様の今後の災害対策に役立てていただきたいと願うものです。

 
     
 
 
建物と建物の連結部(8階)。
 

地震の揺れで、コンクリート壁へのアンカーごと飛び出してしまった部屋番号プレート。

 
         
 
 
 
 
壁面を固定していたため倒壊しなかったオープンラック。
床面と壁面に固定していたため倒壊しなかった試薬棚。
 
         
 
 
 
固定していなかったため倒壊した、同型の試薬棚。
 
実験室。実験台が床面に固定されていなかったため、大きく位置がずれている(本来実験台から垂直に延びていた窒素ラインが大きくしなっている点に注目)。
 
         
 
 
固定していたため本棚自体は無事だったが、そこから滑り出した本や資料で埋め尽くされた床面。避難経路確保のためにも、滑り出し防止策が必要。
上下二段で使用していた器具乾燥用オーブン。ラック自体は床面と側面を固定していたため倒壊しなかったが、上段に設置していたオーブンが滑り出した。ラック裏手には冷蔵庫があるが、床面に固定していたため倒壊しなかった。
         
 
 
器具乾燥用オープンの裏手に設置してあった冷蔵庫。床面に固定したため、倒壊を免れた。保管してあった試薬・サンプル類も無事だった。
床面固定を未施工だった新品・同型の冷蔵庫(手前)。倒壊してそれ自体が破損しただけでなく、多くのサンプルが失われた。
         
実験台上から滑り落ち、破損したエバポレータ。
実験台周辺。左手ドラフトの下に収納してあった空ドラム缶が扉を押しのけて飛び出してきた。扉のロックが必要。
 
         
 
 
 
  床面と壁面に固定したため倒壊しなかった引き違い保管庫(部分)。固定具の変形が、地震から受けた揺さぶりの大きさを物語る。  
片方の釣具がばっさりと切断され、残った釣具のみでぶら下がる蛍光灯。実験室は6階にあるが、この部屋だけは7階にある。上層階ほど被害が大きかった。
 
         
 
 
揺れでデスクから滑り落ちたiMac(新品)。
 
ドラフト側面。地震による揺れによりドラフト全体が移動し、本来接していた画桟から浮いている。
 
         
 
 
 
 
揺れで天井が落下したドラフト。
 
大きく破損したドラフトダクト。落下してくる離脱部は、凶器となる。
 
         
 
 
 
 
床面と壁面に固定していたため、倒壊しなかった更衣ロッカー。写っていないが、廊下を挟んで対面に同型のロッカーが並んでいる。実験室は奥に見えるガラス扉のさらに奥に並んでおり、別に非常口が確保されているとは言え、万が一倒壊していたら主要な避難経路を断たれるところであった。
  被災翌日、最初に撮影した画像。一切の照明を失った建物内部は、驚くほど暗い。なお、この写真のみ敢えて明るさ補正をしていない。  
             
         
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