English

多重外場応答性分子

スピンクロスオーバーや電荷移動を伴うスピン転移現象(ETCST)を示す分子性材料は、次世代の分子テクノロジーに不可欠なナノスケールのスイッチング素子としての可能性を持っています。これらの化合物は、室温付近で反磁性-常磁性を熱的にスイッチング出来ます。さらに光照射によっても状態変化することができます。このような熱的な双安定性と低温における光誘起スイッチングを組み合わせることで、少なくとも3つの異なる安定状態を実現できることになるため、これまでにない新しい機能をもつ分子性材料となる可能性があります。

当研究室では、ナノスケールの分子を対象とし、新しい外場応答性システムの開発を行っています。我々は、様々な種類の外場に対する応答性や物性のスイッチング機能の拡張についても研究しています。温度・光・磁場・電場・圧力・ゲスト分子・湿度などの外場によって、構造や物理的性質(磁性・電気伝導性・光学特性)が劇的に変化する分子を創製し、近未来の分子エレクトロニクスに応用可能なスイッチング分子の開発や、高性能・多機能な化学センサーとしての応用を目指して研究を行っています。



<< 戻る | 配位アーキテクチャー | 機能性酸化物クラスター