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世界初、安定な結晶としてのケイ素-ケイ素三重結合化合物"ジシリン"(アルキンの高周期元素類縁体)の合成に成功しました。炭素-炭素三重結合アルキンは直線分子ですが、"ジシリン"は折れ曲がった構造をしています。これは2つの直交するπ軌道が縮退していないことを意味しています。ケイ素(Siに限らず高周期元素全般にあてはまることですが)のs軌道とp軌道のエネルギー差が炭素に比べて大きいため、s軌道電子を昇位させるのに必要なエネルギー(つまり混成軌道を作るために必要なエネルギー)をπ結合によって十分に補われないために生じる現象です。その結果、ケイ素-ケイ素三重結合では、高いHOMO、低いLUMO軌道を持つことになります。ケイ素-ケイ素三重結合長は2.0622(9) Åでした。
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ケイ素-ケイ素三重結合の結晶は濃い緑色です。 |
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![]() 安定なケイ素-ケイ素二重結合"ジシレン"の合成で有名なRobert West教授に解説を書いていただきました。
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![]() "ジシリン"は様々な有機小分子と反応します。アルコールやアミンの付加反応の選択性、不飽和結合への付加環化反応、還元によるラジカルアニオンおよびジアニオンの合成など、これまで分からなかったことが次々と明らかになっています。現在も"ジシリン"の特異な反応性の解明に向けて研究を続けています。
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