[Jan 22, 2009]
Diels-Alder反応の基本的な反応です。一般に親ジエン(dienophile)には問題中のような電子が不足したオレフィンが適しています。(a)のジエンはブタジエンです。二重結合が消えていますので訂正して下さい。
構造中のシクロヘキセン環を探しだして、ジエンと親ジエンに分解してみましょう。(b)は親ジエンとしてアセチレン誘導体を用いるものです。
アルカンの水和反応とヒドロホウ素化反応−過酸酸化反応ではいずれもアルコールが生成しますが、立体及び位置選択性が違います。これは反応機構によっていますので、結果を丸暗記するのではなく、反応機構が理解できるようにしましょう。最近の教科書では、Markovnikov則とかanti-Markovnikov則といった規則として教えないものも見られます。反応機構を理解すれば、自ずと導かれるわけです。
オゾン分解は、未知のアルカンの構造を知るために用いられます。欠点としては、cis-trans異性が分からなくなってしまうことと、(実際にやってみると)生成するアルデヒドやケトンが揮発性が高く取扱が難しいことです。反応はとても簡単で、収率よく進行します。揮発性の高いアルデヒドやケトンを単離し、構造決定するためには、ヒドラゾン化がよく用いられます。
非対称アルケンの反応です。反応機構を考えながら、生成物を予想して下さい。くどく言っていますが、アルケン(π電子)と最初に反応するのは、カチオン(酸)です。
化学というよりも幾何学の問題です。2置換ベンゼンの対称性を考えて下さい。このことはこれらの化合物のスペクトル解析の際にも重要になります。
芳香族性は6π電子系(や10π電子系)で現れますが、この問題は8π電子系について考察します。
ニトロ基の共鳴構造を考えましょう。一般にはヘテロ原子間の結合は不安定ですが、ニトロ基のNO結合は安定です。
硝酸−硫酸の混合液中ではニトロニウムイオンが発生する理由は、この種が共鳴安定化されているためです。教科書p. 140の4.21式には間違いがあります。訂正して下さい(最新版では修正済み)。
中間体の極限構造式(共鳴式に現れる構造式)の陽電荷が非局在化できるかどうかから、安定か不安定かが判断できます。塩素原子の非共有電子対の効果に注目して下さい。このことから、クロロベンゼンがo,p配向であることが分かります。
アルケンと酸触媒を用いるFiedel-Craftアルキル化反応です。アルケンへの求電子付加反応の反応機構を思い出して下さい。これが分かれば、アルケンの求電子付加反応と芳香族求電子置換反応が両方、制覇できます。
D+を求電子剤とする芳香族求電子置換反応と理解すれば反応機構は同じです。