[Feb 5, 2009]
立体化学なくして有機化学は語れません。教科書をよく復習しておいて下さい。
異性体
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┣構造異性体
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┗立体異性体
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┣鏡像異性体(対掌体)
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┗ジアステレオマー
まず、1箇所の立体配置を固定しておいて、その他についてすべての可能性を書きだします。次にその中で、同じものがないかをチェックします(対称性がいいときは重要)。残った立体異性体についてそれぞれの鏡像を書きます。最後に、元の構造と鏡像が同じでないかをチェックします。
立体構造、特に立体配座を表すためにNewman投影図がよく用いられます。
アキラルな分子が反応してキラルな分子が生成する場合、普通の条件ではラセミ混合物(S-体とR-体の1:1混合物)が生じます。テニスラケットや野球のバットは右手でも左手でも同じ様に持てるという感じです。
キラルな分子が反応して新たな不斉中心ができるときには、ジアステレオマーの混合物が生じます。この場合の比率は1:1とは限りません。これは、ゴルフの右利き用クラブや野球の右利き用グラブは右利きの人が使いやすいという感じです。
R体とS体が生成する反応の遷移状態に差があるかどうかをチェックすれば分かります。それらが鏡像の関係にあればエネルギーは同じになります。あくまでも仮想遷移状態であって、実際の反応機構とはすこしだけ違っていますので、勘違いしないでください。
それぞれの鏡像異性体から生成する化合物を足し合わせればいいわけです。その際に鏡像異性体とジアステレオマーの関係に注意して下さい。