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「キンカつくばサロン」旗揚げの記

筑波大学化学系
細見 彰

 「キンカつくばサロン」の第1回の例会が平成13年11月28日(水)に武田薬品工業(株)開拓第一研究所(筑波研究所)講堂で開催されました。参加者75名(企業22社:54名、公的研究機関、5名、大学:16名)が、つくば近郊からだけではなく、東京、千葉そして遠くは京、大阪からも参会者を得ました。先ず、本協会会長の藤野 政彦先生(武田薬品工業(株)取締役会長)が「創薬化学の基盤としての遺伝子情報」について話題提供(講演会)され、第1回「キンカつくばサロン」の旗揚げに相応しい新しい研究の方向性についての最新の話題を伺うことができました。講演会後の懇親会では、設立経緯について私から簡単に説明した後、藤澤幸夫武田薬品工業開発副本部長の心暖まるお祝いの言葉を頂戴し、藤野会長の乾杯の音頭とともに名実ともに新世紀に相応しい「キンカつくばサロン」発足が高らかに宣言されました。その後、遠く京都から駆付けていただいたこのような会には欠かせない人材である植村 榮京大教授の祝辞と励ましがあり、会場は産官学の方々が同じ目線で付き合うことのできる、真にざっくばらんなキンカ的雰囲気での産官学の横断的な交流の場となりました。また、会の準備をしてきました私共幹事にとっては心強いつくばサロンへの賛同のお言葉も多くの方々から頂戴しました。最後には松田立人日本触媒(株)本社事業企画部長が締めの挨拶をして戴き、本サロンの更なる発展を祈念し、次回での再会を約しての閉会となりました。
 もとより「つくば」は研究学園都市として計画設計された近代都市です。化学関連企業や公的機関の研究所も多く、つくば近郊に在住されている化学関連の研究者は多数おられます。近畿化学協会の会員や特別会員として近化に係わりのある会社にご勤務の方が研究学園都市発足当時から多いにも拘わらず、つくば地区での近畿化学協会の活動がなく、会員相互の交流が殆どないのを残念に思っている方々が多く、お会いするたびに何とかして欲しいとの声が沸き上がり、本会個人会員の数人の方にサロンの立ち上げについてのお声を掛けたところ、快く幹事をお引き受け戴いて準備会を9月に開きました。つくばのキンカ関係の「産」の方々は地域の特殊性からどうしても出入りが激しく、常時地元にいる「学」が主幹事になるのが適当だとのご意見が多く、私ども「学}が今後ともサービス(ボランティア)に徹し役割を演じながら、今回の「キンカつくばサロン」発足に踏み切った次第です。
 「キンカつくばサロン」の準備にあたりましては、近畿化学協会から協会内の独自な自然発生的サロン活動として支援して頂きました。一方で「つくば」ならではのこととは思いますが、今回の「キンカつくばサロン」には、キンカ特別会員企業以外からもつくばサロンの趣旨に積極的なご賛同を頂き、多数ご参加戴きました。今後も「キンカつくばサロン」は個人の自由参加による活動を続け、会員制度やそれに伴う年会費の徴収などは一切行わずに、事前に参加の意志を示してご参加戴くだけの会にしたいと考えています。サロンは年に2回程度、皆さまが参加しやすい興味ある話題提供を含めて懇親会を中心に活動を続けていきます。これらの活動を通じて、近畿化学協会の会員だけではなく、非キンカ関係企業の方々や更には化学関連研究者以外の人々にも参加できる「つくば」ならではの新しいコミュニティを作ることにより、近畿化学協会の活動を啓蒙する意味でも、協会の活動を発展的に拡張する上でも微力ながらキンカに貢献できればと願っています。なお、次回の「キンカつくばサロン」は筑波大学で開催する予定です。開催予定に関しましては本誌に記事を掲載しますので、ご興味を持たれた方はお気軽にご参加下されば幸甚です。
 最後になりましたが、素晴らしい会場を快く提供して戴いた武田薬品工業(株)研究開発本部筑波研究所関係各位特に副本部長の藤澤幸夫氏と、痒いところまで手の届く完璧に会場のお世話を戴いた当研究所北田千恵子氏には厚くお礼を申しあげます。


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