Atoms in Molecules (AIM) Analysis

Quantum Theory of Atoms in Molecules (QTAIM)

AIM計算の実践的概要(日本語解説)

AIM計算は、Gaussian などで得られた波動関数を用いて 電子密度のトポロジー解析を行う手法です。 本研究では主に 低配位典型元素化合物多重結合系の結合理解に用いています。

実際の解析には Multiwfn を用い, 結果の可視化には VMD を使用します。

(2026/03 現在)VMD for WIN64, version 2.0.0a7 を使用。
環境:Windows 11 Enterprise

AIM Calculation Workflow

  1. Gaussian による構造最適化
  2. output=wfn による波動関数ファイルの生成
  3. Multiwfn による QTAIM 解析
  4. BCP 情報(CPprop.txt)の取得
  5. VMD による可視化

Gaussian の input では output=wfn を指定し, 計算終了後に wfn ファイルを出力します。

Gaussianによる構造最適化および wfn ファイルの出力

  1. Gaussian の input に output=wfn を追加し、 最終行に C:\保存先\hoge.wfn を指定して計算を実行する。 必要に応じて fchk → chk 変換(unfchk.exe)を行う。
  2. すでに構造最適化済みの checkpoint ファイルがある場合は、 以下の入力ファイルを Gaussian で実行することで、 すぐに wfn ファイルに変換可能。 参考ファイル
%chk=C:\保存先\hoge.chk
# geom=allcheck guess=only output=wfn p test

C:\保存先\hoge.wfn

Multiwfnによる QTAIM 解析(VMD 可視化まで)

  1. Multiwfn.exe をダブルクリックして起動する
  2. Enter を押してファイル指定画面を開き、hoge.wfn を選択
  3. 2 Enter:topology analysis
  4. 1 Enter:原子核位置から CP をサーチ
  5. 2 Enter:原子間中点から CP をサーチ
  6. 0 Enter:CP 図示
  7. Return で戻る
  8. 70 Enter: CP 情報をテキスト出力し、指定フォルダに CPprop.txt を生成

※ バッチファイルを使うと作業を簡略化できます。

  • Multiwfn_3.8_dev_bin_Win64\examples\scripts 内の AIM.batAIM.txtMultiwfn.exe のあるフォルダにコピー
  • AIM.bat を編集し、 1 行目を GC.wfn → hoge.wfn に、 2 行目の VMD パスを自分の環境に合わせて変更
  • hoge.wfn を Multiwfn.exe のフォルダにコピー
  • AIM.bat を実行すると計算が開始され、 CPprop.txt は wfn と同フォルダに、 CPs.pdb / mol.pdb / paths.pdb は VMD フォルダに生成される
  • VMD フォルダに AIM.vmd をコピーし、 vmd.rc の最終行に proc aim {} {source AIM.vmd} を追記
  • vmd.exe を起動し、aim と入力して Enter

Visualization with VMD

Multiwfn の付属スクリプトを用いることで, 結合パスや臨界点(CP)を VMD 上で三次元的に可視化できます。

Bond Critical Point (BCP):(3,−1) は結合でもっとも重要な臨界点であり, 非共有結合性相互作用の評価にも有効です。 該当する点は CPprop.txt から確認します。

AIM におけるラプラシアンの解釈

  • 2ρ < 0:共有的相互作用 (電子が結合中心に集中)
  • 2ρ > 0:閉殻相互作用 (イオン結合、水素結合、ファンデルワールス力など)
  • Ring Critical Point (RCP):(3,+1) は環構造形成時に出現

VMD による可視化と操作のヒント

VMD 内では結合パスや臨界点(CP)など, さまざまなデータを可視化できます。

原子・CP のラベル表示

labcp all 3n1 0.8 0.05 0.05

(3,−1) は BCP、(3,+1) は RCP を表します。 後ろの数値は文字サイズや位置調整のパラメータです。

特定の CP / path を表示

all and serial 77
Representations → paths.pdb
all and resid 61 62

resid 番号は、Cキーで十字カーソルを表示し, path をクリックするとターミナルに表示されます。

原子色を Gaussian 風にする

分からない点があれば,気軽にご連絡ください。