有機構造解析

Infrared & Raman Spectroscopy

概要

有機構造解析では、赤外分光法(IR)および ラマン分光法を用いて分子の結合振動を解析します。 振動モードを視覚的に理解することは、スペクトル解釈の近道です。

結合の振動モード

対称伸縮振動(νs

結合が対称に伸び縮みする振動。

逆対称伸縮振動(νas

結合が非対称に伸び縮みする振動。

変角振動(Scissoring / Rocking)

結合角が変化する振動。

面外変角振動(Wagging / Twisting)

結合が分子平面外に動く振動。

アセトン分子における C=O 結合の対称伸縮振動の例。

結合の振動モード

基準振動の例:CH₂Cl₂

対称伸縮振動(Symmetrical Stretching)

逆対称伸縮振動(Asymmetrical Stretching)

面内変角(Scissoring)

面内変角(Rocking)

面外変角(Wagging)

面外変角(Twisting)

単純分子の振動例

HCl:伸縮振動(Symmetrical Stretching)

H₂O:対称伸縮振動

H₂O:逆対称伸縮振動

H₂O:変角振動(Bending)

N₂:対称伸縮振動

赤外活性とラマン活性

  • 赤外活性:双極子モーメントが変化する振動
  • ラマン活性:分極率が変化する振動
  • 対称中心をもつ分子では 交互禁制律 が適用される

例:CO₂ 分子の振動モード

CO₂ は直線分子(3N − 5 = 4 振動)。 対称伸縮はラマン活性、逆対称伸縮・変角振動は赤外活性。

CO₂:対称伸縮振動

CO₂:逆対称伸縮振動

CO₂:対称変角振動(Bending 1)

CO₂:対称変角振動(Bending 2)